第二十四回
「エサ!」
数学では、途中計算などで計算用紙を使うことが多いものです。
もちろん、普段はノートに途中式を書かせていますが、練習プリントや、小テスト、ちょっとした計算などでは、不要プリントの裏面を使わせることがあります。
私も、父母会の原案を考えるときやテストの模範解答をつくるときなどは、計算用紙で下書きを行っています。
けい友館では、印刷に失敗したコピー用紙や、余ってしまった(裏面が白紙の)プリントなどを計算用紙として、生徒たちも自由に使えるようにしています。ちなみに計算用紙を入れている箱は、けい友館設立当初からずっと変わらず、ちょうど良いサイズ(黒板消しクリーナー)のダンボール箱を、ガムテープで補強したものです。
さらに最近は、B5版とA4版の紙のサイズで箱を分けています。
一部の生徒たちは、そんな計算用紙のことを「エサ」と呼んでいます。
なぜ、そのような名前になったかというと、以前、授業の中で全員に計算用紙を配っていたときの私の姿が、まるで動物にエサを与えているように映ったらしいのです。そのとき、ある生徒から「先生、エサを動物に配って歩いているみたい」と言われ、「じゃぁ、この計算用紙はエサなのね?」と、いうことで、それ以来、そのクラスは計算用紙のことを「エサ」と呼ぶようになりました。
「先生、エサちょうだい!」「エサもらっていきまーす!」と一部の生徒が言い始め、事情を知らない他の先生や生徒は「何のこと?」と、とても不思議そうでした。
いつの間にか「エサ」という呼び方が広まり始め、その代の生徒達が卒業してしまった今も、私はついつい「あの箱からエサ持っておいで」と言ってしまうことがあり、意味の通じない生徒から「エサって何?」と聞かれてしまうことがあります。
・・・・・・その度に、今のような説明をするわけです。
先日、中3の生徒から久々に「エサもらってきます」の言葉が出て、「ああ、この学年にも広まっていたんだなぁ・・・」と、妙な関心をしてしまいました。
いっそのこと、もっと広めてしまおうかとも思っています。